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映画の中に登場する旅館、医院、ケーキ屋、本屋などすべてイメージ通りの建物が見つかりシナリオも順調に書き上がり、那賀川沿いの桜並木のシーンから撮影スタート。約2ケ月近く松崎に腰をすえての長期ロケになった。
撮影に入ると、松崎の町中を巻き込みながら町をあげて協力してくれたと、スタッフー同感激したとのこと。
実際に燈籠流しの祭りがあるのは8月なのに6月に再現し、町中の人にエキストラで出てもらったことで出来上がった映画にはスタジオのセットでは絶対に出ない”空気”“雰囲気”が漂っている。
地元の人が、普段何気なく見過ごしている風景や事柄が、監督、スタッフの手によって町の魅力を再認識できたのではと思われる。また我々映画観賞者は、「松崎って何て素晴らしい所なのだろう是非行ってみよう」ということになる。どんなコマーシャルより大きな宣伝効果になるわけだ。つぐみの上演以来旅館“梶寅”には、つぐみの部屋に泊まりたいという女性客でひっきりなしという。
なお、この映画の配給は、松竹株式会社、特別協力をFM東京(開局20周年記念企画)が行い、1990年に上映された。

2 梶寅旅館
明治40年の創業という古い歴史を持ち、民俗学者柳田国男もここに泊った。今は「つぐみの宿」と呼ばれている。映画「つぐみ」のロケがこの宿と周辺を舞台に行われたからである。
創業当時とほとんど変わらない、昔なつかしい建物で、二つの建物の2階部分を渡りろう下でつないでいる。隣りにはお稲荷さんがまつられている。
歴史が古いだけに玄関わきには、ちょっとした博物館があり、骨とう品が並んでいる。この旅館のすぐ前に広がるおだやかな港を部屋の窓から眺めていると松崎の魅力を感じとることができる。
映画「つぐみ」は、梶寅のみならず、町民、さらに町のイメージなどすべてをより素敵に、より魅力的に映し出したのでは。
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